こだわりの住宅性能・設計デザイン「あなたとつくる輸入住宅」

次世代省エネルギー基準と気密

次世代省エネルギー基準では、気密性能が隙間相当面積5cm2/㎡となります。

【気密の目的】
・健康で快適な室内環境の実現
・計画的換気をする
・壁内結露防止
・熱損失を防ぐ
・隙間風によるドラフトの防止

相当隙間面積5cm2/㎡とは、床面積1㎡あたりの隙間の面積をいいます。1軒ごとに気密テストをすることが必要です。1軒ごとにすべて性能が違うからです。

100㎡の家では5cm2/㎡×100㎡=500cm2の隙間があいていることになります。これは直径約25cmの穴があいている状態です。

今の新省エネルギー基準では規定がありませんが、在来工法では10cm2/㎡以上の隙間があいていますから、100㎡の家では10cm2/㎡×100㎡=1000cm2の隙間があいていることになり、これは直径約36cmの穴があいている状態です。

気密性が低いと、風の影響で暖めた空気が逃げたり、壁体の内部結露も起こってきます。換気扇はあっても換気出来てない状態もでてきます。換気性能を発揮するためには0.7cm2/m2以下にすることが必要と言われています。

主な住宅の相当隙間面積

主な住宅の相当隙間面積

建築デザイン / 2010年6月20日

次世代省エネルギー基準と断熱

4地域の熱損失係数が3.4Kcal/㎡・h・℃から2.32Kcal/㎡・h・℃になります。

【断熱の目的】
・屋内空間の室温を保持する
・表面結露を起こさない
・エネルギーの無駄使いをしない

熱損失係数とは、建物内部と外気の温度差が1℃のとき建物内部から屋外に1時間当たりに逃げる熱量を床面積で割った数値。

100㎡の家の場合、室内温度が20℃で外気温が0℃の時に逃げる熱量は新省エネルギー基準では、100㎡×3.4Kcal/㎡・h・℃×20℃=6800Kcalとなります。1999年3月に告示された次世代の基準では断熱を強化することにより、100㎡×2.32Kcal/㎡・h・℃×20℃=4640Kcalとなります。この断熱性能は、気密性能との関係で在室暖房程度の熱量で、全室暖房の可能性が出てきます。

全室暖房の可能性

しかしながら、熱橋のないようきちんと断熱し気密施工をしないと壁体の内部結露の問題が生じ家が腐ることにつながります。

内部結露

建築デザイン / 2010年6月19日

シックハウス症候群と住宅

近年の新築住宅において、科学物質の発散によるシックハウス症候群の問題が、数多く指摘されています。

特に揮発性有機化学物質による健康障害の問題がクローズアップされています。

近年の住宅はアルミサッシュの使用、クロス張り等により格段に気密性能が向上しています。室内に使用する建材も、自然素材から、工業製品に変わって行きました。

その中で、接着材の原料としてホルムアルデヒド、溶剤としてトルエン、キシレン、プラスチックなどに柔軟性を与えたり加工をしやすくするために可塑材が、また木材を白蟻からの被害を防ぐために防蟻材や木材保存材などのクロルピリホス、パラジクロロベンゼン等の物質が優先取組物質として指定されています。

これらの物質を体内に取り組むことでさまざまな症状が現れてきます。頭痛、倦怠感、めまい、動悸、鼻血、吐き気等あらゆる症状が報告されています。家に一番長くいる主婦や小さい子供が真っ先に被害に遭っています。

かつての住宅は、気密性も低く、発散した物質も隙間風で換気出来ていました。近年の住宅は気密性が高いため空気の入れ替わりがかつてほど期待できません。空気の入れ替えはただ窓を開けただけでは出来ない時もあります。

換気は温度差換気と、風力換気、そして機械換気しかありません。つまり、外気温との温度差がない季節や、風のないときはいくら窓を開けておいても換気されていないことがあるわけです。

高断熱、高気密住宅が話題になり始めたころと、時期を同じくしてシックハウスの問題が言われ始めたため、高気密住宅はシックハウスになると槍玉にあがりました。しかし、本当の高断熱、高気密住宅は定量換気装置を必ず備えているので、空気質の問題は出ていません。それらは換気装置の無い普通の住宅で起っていたのです。

私達の生活のなかで、科学物質をなくすことはできません。室内には数多くの発生源が存在します。衣類、新聞、洗剤、芳香剤、カーテン、殺虫剤、抗菌材等きりがありません。それゆえに新鮮な空気を常に室内に取り入れ、汚れた空気を排出することが重要になってきます。換気装置を有効に働かせるためには、気密性能も高くすることが求められています。

建築デザイン / 2010年6月18日

高齢化社会と住宅

我国の65歳以上人口の割合は今後も上昇を続け、今世界のどの国も経験したことのない極めて急速なスピードで高齢化が進んでいます。

国連によれば、65歳以上の人口比率7%以上が高齢化社会と分類されているそうです。日本が高齢化社会に突入したのが昭和45年1970年のことです。それからわずか24年後の平成6年1994年に倍の14%に達しています。ちなみにドイツでは42年、イギリスでは46年、アメリカでは69年、スウェーデンでは82年、フランスでは114年を要しています。人口推移予測では、65歳以上の人口は2000年には2187万人に、2020年には3333万人、27%が65歳以上になるとの事です。

2025年には国民医療費のなかで老人医療費の占める割合は50%を上回るのは確実と言われています。

国民医療費の規模は1999年度で28.5兆円にのぼり、平均で毎年6%前後、金額にして約1兆円ずつ増加しています。1999年度の国民1人当りの医療費は年間約22.5万円かかっています。特に老人医療費は、高齢化に伴い毎年8%前後と高率で増加し、1999年度の統計で11.8兆円にのぼり、老人1人当りの年間医療費82.5万円となりそれ以外の者の約Ⅳ倍にのぼっています。

国民は今、元気で「長寿」であることが望まれています。「長命」でなく「長寿」で元気で健やかに過ごすことが大切です。

医事評論家の水野 肇氏と医師の青山 英康氏の編著「PPKのすすめ」に平均寿命が高く、それでいて1人当りの老人医療費が日本一少なく、平均在院日数も日本一短く、在宅介護の率も高い。元気に生きて、長患いせずに死ぬ、ピン・ピン・コロリ(PPK)が日本一達成されている長野県のことが紹介されています。一読をお勧めいたします。

平成12年2000年の4月から介護保険制度が始まりました。これは在宅介護が基本になっています。

65歳以上の高齢者人口は2000年では2187万人に、2010年には2770万人に、2025年では3240万人と予想されています。その内、要介護高齢者数は2000年では280万人、うち寝たきり高齢者は120万人、2010年ではそれぞれ390万人、170万人、2025年では 520万人、230万人と予想されています。早川 和男氏は著書「居住福祉」のなかで住宅こそ福祉の原点であると訴えられています。

今、住宅が年間100万戸以上も建てられていますが、求められているのは「帰れる家」ではないでしょうか。万が一病気をしそれが安定した時、帰れる家。バリアフリーというと段差の無い家、手摺の付いた家との認識が一般的ですが、弱者にとって一番のバリアーは温熱環境のひどさではないでしょうか。

家庭での65歳以上による死亡原因の1位はスリップ、つまずき、よろめき等による転倒ではなく、なんと浴槽内での溺死、溺水です。これは温度差が原因で起っています。暖かい部屋から寒い廊下を通り、寒い脱衣室で衣服を脱ぎ、裸で寒い浴室に入らなければなりません。寒さで血圧は上昇し脳血管障害の原因となります。浴槽に入れば今度はのぼせ状態となり意識レベルが低下し身体が沈んで溺死となります。

老人のために暖かい住空間を実現しても、それは居住空間のみで廊下、便所、化粧室、浴室等は暖房領域から除外されているいのが現状です。部屋を暖かくすればするほど室内外の温度差がつくため、部屋から出ることはつらい行動になります。部屋からの移動はあたかも屋内から屋外に出たり入ったりしているのと同様のことで、身体調整機能の低下した高齢者にとって、また高齢者だけでなく病気を患っている人、弱者一般にも過酷なことです。

家は本来健康、財産等を守るシェルターで有るべきあり家が原因の死亡事故などあってはならない事です。家の中が同じ温度で出来ていれば温度差が原因の死亡事故など起ることではなく多くの方は死なないで済んだ事なのです。家をシェルターと考えれば家の中はどこも同じ温熱環境であるべきであり、今実現できることなのです。今から住宅の建築を考える人はまず最初に温熱環境を確保し、その上での間取りやデザインであるべきです。寒い家や、暑い家、結露する家、カビ、ダニの発生する家、シックハウスにかかる家など創ってはならないのです。

建築デザイン / 2010年6月17日

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